スイミーノート

おんせん県大分で活動中 フル自己ベスト2:54:59(別大マラソン2024)

集団走の威力〜風から身を守る武器~

これまで集団走は苦手でいつも単独走か集団についても外側の一番後方でしたが、今回の北九州マラソンでは初めてペーサーの集団の中に入りレースを進めていきました。その結果強風雨の中自己ベスト更新。集団の中で走るメリットを思い知らされました。その効果は今回のような気象コンディションが悪い中では特に発揮されたのかもしれません。

(集団走のメリット)

①風の抵抗なくすことができる

 山地啓司氏の「マラソンの科学(大修館書店。1983年)」によると、無風の中で上記と同じ時速20kmで先頭で走る場合、身体に受ける空気抵抗に要するエネルギ量は100%。一方、先頭ランナーの後方1mの位置を走る選手は、前の選手が風除けとなって空気抵抗に対するエネルギー量の約80%が軽減され、2m後ろならば約40%軽減されるという。

あくまでも机上での計算ではあるが、全エネルギー量からすると先頭の選手がマラソンを2時間06分35秒で走った場合、1m後方のランナーは、同じ全エネルギー量でマラソンを2時間02分40秒あまりで、2m後ろの選手は、2時間04分50秒で走れる計算になる。

<中略>

特に大きな集団であれば、最後方が有利だ。強い追風の場合、最後方の選手は前の選手が風除けになってくれるのに加えて、背中からの後押しを受けられる。

(MGCオフィシャルサイトより)

www.mgc42195.jp

前の選手の真後ろに張り付いてレースをする訳にはいかないので上記の記事はあくまで仮定の話ですが集団により風が受けにくいのはかなりあると実感しました。今回のレースは10kmくらいから30kmまでは追い風。集団の後方につけ時折強い追い風を受けて風の力を借りることもできました。30kmで折り返してからは強い向かい風。ここからはペーサーの後ろにつかせてもらいました。ペーサーの方も向かい風ではニューイヤー駅伝の設楽ばりに後ろにつくように誘導してくださり本当に助かりました。

f:id:suimie-suimie:20200219181018j:plain

大学の後輩の山久選手に後ろに付くように指差す設楽悠太選手

②頭を使わず走ることができる

ペーサーにつけば運んでもらうだけなので時計を気にすることなく走れます。実際35kmくらいまでは時計は5kmごとのラップの確認くらいしかしてませんでした。足が水溜りに入ってもあまり何も気にせず考えないようにしていました。脳のエネルギー消費量を少しでも減らせたのかな?

3. なんとなく仲間意識が芽生える

 隊列を組んで走っているといつの間にか周りのランナーと仲間になった感じがしてきます。給水のときも給水しやすいように譲り合ったり、強風にさらされるとギュッとお互いが肩を寄せ合い風をしのいだり(周りから逆に邪魔と思われたかもしれませんが・・😅)。今まではこの混雑が嫌でなるべく離れて走っていたのですが今回の北九州マラソンサブスリー集団は本当に良かったです。

(集団走のデメリット)

もちろんメリットの裏返しでこれまでの私のように集団走に慣れていないと集団の混雑は走りにくく周りの選手との接触の危険、また集団全体のペースが落ちると一緒に自分のペースも落ちてくるといった危険もはらんでいます。このためきちんとしたペーサーがいる都市型マラソンが特に有効なのかもしれませんね。

 ヴェイパーなど進化するギアが攻める武器ならば、この集団走といったマラソンのマイナス要素をどれだけ減らせるかといった部分は守りの武器、盾?といった感じでしょうか。まだまだ学ぶことが多いですね。

東京マラソン一般ランナーの参加中止を受けて他のいろいろな大会が追随して中止になってきています。これらの大会に向けて練習を積んできたランナーの方々の気持ちを考えると胸が痛みます。自分も残す今シーズンのフルはさが桜マラソンに出走予定ですが難しいかもしれません。事態が一早く収束することを願います。